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骨董屋の意外性と多角経営の話


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どんなところに仕入れに行くんですか?というような質問をよく受けます。
骨董市、蚤の市、ぼろ市、泥棒市、フリマ、オークション、骨董屋、ぼろ屋、そんなとこでしょか、
とにかく古いものがありそうなところには全部行きたい。そういう感じです。

骨董市にもいろんなタイプがありまして、売っているもののランクや傾向なんかもそれぞれに
よって全然違うので、行ってみて「あーこの手は違うわ」なんてこともそりゃあります。
それでも行ったからにはなにか1点だけでも買いたい、そうじゃないと本当の無駄足になって
しまうので、なんとかあきらめずに掘り続けます。

そうなんです。僕らの仕事は選ぶ眼の力はもちろん大切なんですが、
この「手」というのがとても大切なんですね。ふたを開ける、重なっているものをずらしてみる、
箱の中にどさっとモノが入っていたら、とにかく手を入れる、ひっかき回す、簡単に言えば
「漁る」というのが近いでしょか。めんどくさがってはいいモノは見つからない。

自分がモノを売る場合もそうですが、気に入っていて自信があって評価も高いものは表に
どーんと出します。よくわからないものは後ろのほう、隅のほう、下のほうに置いてあります。
そういうよくわからないものの中に面白いものがあるのだと僕は思っています。意外性ですな。

業者の一押し、表に並んでいるものだけを集めた仕入れは、優等生だけのクラスみたいで
まあ面白みがないわけでして、じっくり見てもパッと見とそんなに内容は変わらないでしょう。
優等生もいる、味のある子供もいっぱいいる意外性のあるクラスのほうが、見れば見るほど、
付き合えば付き合うほど面白いのではないかと。そんな骨董屋を目指しています。

それに加えて、選ぶ眼の力。もちろんこれがあっての話なわけです。
やたらめったら買わない、選んで選んで、形のいいもの、色合いのいいもの、選ぶ。
僕は自分でものを作り出すことはできませんので、何かを選ぶ、ということは頑張りたい。

骨董市が終わりに近づいてきて、僕としてはもうおしまい、全部見させていただきました、と
お茶なり、ビールなり、シャンパンなり飲みながら、ほかの業者さんが買った品を運んでいるのを
ぼーっと眺めることがあります。それで自分なりに「もっと選んで買えよ!」などと偉そうに
ツッコミを入れたりしてますが、たくさんお店を持ってたり、従業員がたくさんいたりするんだろうなと
思うと、わからんでもない。いやいや、わかんない。骨董屋の多角経営は大変だなあと
そんなところまでおせっかいにも気持ちを巡らせて、気持ちはまた次の街へと続くわけであります。

今日の画像はそんな意外性のある品。表には絶対並んでないタイプの品です。
空港のX線検査で一番問題になり引っ張り出された道具。なかなか良いのです。

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by pointcinq | 2016-10-15 17:04 | 品物の紹介 | Comments(0)


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