ヨーロッパの冬は夕方も暗くなるのが早い。ちょうど暗くなったころにパリの環状高速道路ペリフェリックから南仏を目指すA6という高速道路に入っていて、フランスの高速道路は日本に比べると格段に暗い。路上にほとんどライトがない。以前は気が付かなかったが、久しぶりに走ってみてあらためて日本の高速はものすごい明るいのだとわかる。 走り始めて数時間、リヨンまでもう少しというところで今日はもう完全に疲れた、もう寝よう、ということにして車内で仮眠。かなり冷え込むのでエンジンはかけたまま、暖房もつけたまま。梱包資材はすべて日本から持ち込みなので折りたたんだ段ボールをベッドにして4時間眠る。それでもやっぱりちょっと早く目が覚めるのは時差ボケのせいもある。初日のこの時間を移動に充てるのはホテルで休んでも結局全然眠れないので意味がないとの経験からだ。 夜中の1時にまた真っ暗の中、走り出す。対向車も前後にも車がいないと本当に見づらくて、その中をだいたい時速130キロで走っていると自分で運転しているのに船酔いのような症状が出ることがある。車を降りてもしばらく揺れる状態が続く。 それから4時間ほど走り、ちょうどいい時間にアヴィニョンの骨董市に着く。骨董市ではマスク着用率は半々かな。さすがに道中のサービスエリアは室内とあってほぼ100%だったと思う。ここからフランスのマスクの甘さはたびたび目にすることになるが、この日はずっと屋外ということもありそこまで驚くことはなかった。 翌日からは大きな会場での骨董市、というか業者市に出かけるので入り口でパス・サニテール(保健パス)提示は義務でマスクももちろん義務。パスがあって本当に良かったが、ひょっとして接種証明さえあればパスの代わりでOKだったのかもしれない。そこは今回、全部パスを使ったので確認できなかった。ただ、このパスは紙に印刷してもいいし、スマートフォンに写真かスクリーンショットで保存してあれば使えるので、特に本人確認もされないこのQRコードは使い回しができてしまうものではあると思う。 この旅のあいだ、ほとんどのホテル、カフェ、レストランでパスの提示を求められたが、全く必要ない場合もいくつかあった。「パス要らないの?」と声をかけて「ああ、じゃあやりましょう」みたいなことも何度か。 それよりも怖かったのはレストランやカフェでのテーブルが近いこと、アクリルのパーティションは皆無、平気で咳を連発する人、こういうのが重なって咳をする人と隣り合わせになったものなら食事もそこそこにすぐに会計、退出!ということもあった。咳のエチケットというかマナーは特にないと思っていい。 レストランでも時間がちょっと遅くなってくると店員もマスクを外して接客しているということもあった。その辺の常識も日本よりはかなり甘い。 僕の場合、万が一でも滞在中に感染したらどうなるのかを何度か考えた。まず、飛行機に乗れずチケットはパーになる。東京で待っている家族にもものすごく迷惑がかかる。そこで陽性が出た場合にはどこかに連れていかれるのか?たぶんそれは無くて、ただ自分でなんとかしなくてはならないだろう。ホテルを取る?取るって2週間予約か?Covid19陽性が出て帰国できないので2週間滞在したい、なんて言っちゃっていいのか?その場合、食事はどうすれば?陰性になるにはどれくらい待つ?入院は?それくらい疑問がいろいろと浮かんでくる。 本当に本当を言えば、こういう時は外国なんか来ちゃいけないのだと何度も思った。でもね、もう来ちゃったものは仕方がない、感染しないように予防して絶対に帰るのだ。 それでも、道端のカフェでクロワッサンとコーヒーを楽しんでいるおじさんが、テーブルに落ちたクロワッサンのパン屑を指にくっつけて舐めて、くっつけて舐めてを繰り返しているのを見てものすごく暗い気持ちになってしまうのですね。 この後、出国前72時間前PCR検査と帰国につづきます。正直、これが一番大変でした。
by pointcinq
| 2021-11-29 13:50
| 旅
|
Comments(0)
|
information
miyawaki modern 東京都目黒区 東が丘1-17-23 ☎03 5432 9723 新型コロナウィルス 感染拡大防止のため 4月から6月は店舗を 休業いたします。 営業再開など、 詳細は随時ブログと インスタグラムで 更新します。 online store "STORES" website http://miyawaki.biz 掲載した商品は 基本的にすべて売物です。 気になる商品はメールで お問い合わせください。 miyawakimodern@gmail.com 駐車スペース1台有り 画像及びテキストの無断使用は 固くお断り申し上げます。 Copyright © 2001 antiques miyawaki modern All Rights Reserved. 最新の記事
記事ランキング
カテゴリ
全体品物の紹介 日々の暮らしから 旅 お知らせ 宮脇綾子 丘の家計画 タグ
古道具(245)
お知らせ(132) つれづれ(105) 器(85) 旅(59) 展示会(55) ガラス(42) 骨董市(35) 古着(22) 古本(紙もの)(21) Lampe(18) 美味いもの(18) Paris(16) 休暇(12) 手仕事(10) 家具(9) お引越(9) 古い酒(6) DIY(3) うちのこと(2) 以前の記事
2021年 12月2021年 11月 2021年 10月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 10月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 画像一覧
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||