おなじみの刻印が登場するのは1937年。それまでのバカラには刻印が無く、
こんな紙のエチケットが貼られて売られていた。
もちろん、一度使って洗ってしまえば、この紙ははがれてしまうわけだから
世の中にはこの普通の人にはわからない『銘の無いバカラ』というものが存在する。
雑ガラスの中にきらりと光るそれをすっと抜き出すこのヨロコビは、やはり古道具屋
もしくはその筋の物好きにしかわからないものではないか。
こんな素朴ななんでもないグラス。エチケットが無かっても手を伸ばしていただろうかと
自分自身を責めるきっかけを与えられる。
ウィスキーに少し水を足して、もしくは小さな氷をひとかけ落として。
(梅酒の方にもご利用いただけます)