真っ白なクロスをざざざっとテーブルに広げ、フォークとナイフ、白いお皿、ワイングラスを
並べて食事の仕度をというのは実に心躍るものであるが、それがこの季節の屋外であったり
バルコンでのことであればなおさらである。
ヨーロッパというのは外で飯を食うために日没が遅いのではないかと思えることすらある。
その真っ白なテーブルクロス、汚れたらさっと洗えば済む話なのだけれど、ワインの雫が
瓶をつたって丸い輪染みができてしまうと性質が悪い。見栄えも悪い。
それでこういうものを使う。ワインボトル用のお皿。いつ頃からこういう皿が使われるように
なったのかは定かではないのだけれど、これは19世紀末から1900年頃のもの。
はじめに見たときはまったく何か想像できず、一人あれこれと考えたものである。
くぼんでいるところに何か丸いものを置くための物のようにも見えるし、その仕切りの
部分が魚のかたちをしているようにも見える。滑らかな磁器の冷たい感触とは裏腹に
ユーモアのある、綺麗なものだと思う。
この数週間、ものすごいアクセス数をいただき自分でも驚いている。
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