週末になるといそいそと早起きをしてあちこちの骨董市を回り、がさがさとごそごそと
重箱の隅をほじくってはいるものの、これだというものがなかなか見つからない。
そんな週末が続いたのでこの日曜日はちょっと河岸を変えて、郊外に出てみることにした。
この郊外の蚤の市、ハズレに当たってしまえばただの田舎のフリーマーケットであるから
2時間歩き回った末に坊主で泣く泣くパリに帰るということもありえるのだけれど、たまには
出物があるものだから何度失敗してものこのこと出かけてしまう。
パリから郊外電車RERで20分、そこから20分待たされたバスに乗り20分。絵に描いた
ような物悲しい郊外都市に辿り着くわけなのだ。ここには何度も来たことがあるので、
だいたいの地図は頭に入っている。売店のメニューまでわかる。ざざざと歩いて目ぼしい
スタンドを回ったのだけれど買えたのはこのミラーが一枚のみ。こんな大きいもの、
どうやっても日本に持って帰られないので自宅使いしかない。ちょうど、この場所に鏡が
あればいいなと思っていたこと、こんなところまで来て坊主では帰られないでしょ、という
気持ちがこんなにも大きく、重いものを買わせてしまった。
それはそれは、重かったですよ。