夏にさようならを告げた途端に、週末の午後は素晴らしい天気になった。
イギリス人なら半ズボンにサスペンダーをして「ラブリー」と言うかもしれない。
陽の当たる午後の公園でチャンドラーの古い小説を読んでいることが、妙に場違いな
間違った行為であるように思えてならなかった。
あるいはハリウッドに正しいことなんて何ひとつないのかもしれない。
どこかのアパートの世話人がドアを閉める音が聞こえた。口の中に嫌な苦味が残った。
失礼。
ここはハリウッドではなくてパリでした。飛行機雲がいくつも見えます。
今朝の蚤の市で見つけた古い革のサドル。
今夜はマティーニの気分。