南フランスへの買い付けの旅、上々にてパリに戻りました。賭け事の世界では「旅打ち」と
呼ぶ、旅から旅、町から町へと移動の日々。行く先々での景色を、食べ物を、それから
ワインもからだに吸収して、さらに古道具も山盛りいただいてくるのだから楽しくないわけが
ない。古道具屋バンザイ、こんなときは本当にそう思う。
晴天のパリからスタートして往復約2000km、雪あり雨あり嵐あり、そしてまた晴天。雨の
あとの風景、星の美しいこと。あたまの中のもやもやが洗い流されていく音がするようだ。
なにもパリから出なくてもいい、南フランスでの車の旅は是非皆様にもおすすめしたい。
そして今回の買いつけ、これが買えただけでも行った甲斐のあるというひと品。
一対のムスチエ(Moustiers、ムスティエ、ムスチエール、ムスティエール、まあなんでも
お好きなように)のサラディエ(saladier、サラダボウル)、18世紀中頃か。
ひとつは使い込まれひびが入り、それを鎹(かすがい)で修復がしてあり、もうひとつは
そのまま仕舞い込まれていたのか、ゆうに200年を超えたとは思えない状態のまま今日に
至った様子。そんな2つの対というのがまた面白い。
また明日。